世界中で注目されている不飽和脂肪酸であるDHAやEPAは、魚から多くを摂取できる「魚脂」の成分です。青魚や脂の乗った旬な魚には、多くのDHAやEPAが含まれています。DHAやEPAが注目されているのは、人の健康に良い影響を与えると考えられているためで、医学的な面からも注目されている成分です。魚が苦手な人は、DHAやEPAをサプリメントから摂ることが多く、多くのサプリメント商品が販売されています。
では、魚脂にはどれほどの品質基準があるのでしょうか。魚は生ものなので鮮度がとても大切ですし、海洋汚染との関係も気になるものです。安全性を確認するための1つの指標として「IFOS」があります。
IFOSとは、魚脂の純度・働き・鮮度などを定める第三者機関です。魚脂を用いたサプリメントを購入する際に、品質を図るための1つの指標になります。
IFOSの品質試験に合格するためには、4つの厳しいテストを突破しなければなりません。1つずつテスト項目を確認します。
1つ目のチェックは、DHAとEPAの含有率です。サプリメントに記載されている含有率が正しいかどうかをチェックします。これはサプリメントとしての働きにも影響しますので、とても重要な指標になります。またDHAやEPA以外に記載のない油が含まれていないかもここでチェックすることになります。つまりサプリメントに含まれている油の量ではなく、DHAやEPAの量が正しいかを確認しているようです。
次に、PCBや水銀、ダイオキシンなどの汚染物質含有量テストです。
PCBとは「ポリ塩化ビフェニル」のことで、人工的に作られた油状の化学物質です。現在は製造を禁止されています。水銀はよく耳にするものではないでしょうか。水銀は蛍光灯などに使われており、過去には公害の原因にもなった物質です。今は環境汚染の観点からも水銀が海に流れ込むことがないような取り組みがされていますが、海中に全く存在しないわけではありません。ダイオキシンは、物を燃やした際に発生する物質で、様々なところに存在しています。
どれも人に悪い影響を与えるため、これらの汚染物質がどの程度含まれているかをテストしているとのこと。
DHAやEPAといった油が劣化するスピードを確認しています。不飽和脂肪酸は酸化しやすい特徴がありますので、何の対策も施さなければ劣化してしまいます。サプリメントとして販売するのであれば、一定期間劣化されることなく品質が保たれることが大切です。
DHAやEPAにヒ素、鉛、カドミウムといった重金属がどれほど含まれているかを確認するテストです。ヒ素は様々な食品に含まれていますが、重要なのはその含有量です。ヒ素がどれほど体に取り込まれると健康に被害があるのかは今も研究段階ですが、食品に一定量以上含まれていないかを確認することは大切です。
サプリメントは食品の分類になります。普段から規則正しい食生活を送っている人にとっては、サプリメントは不要と思えるかもしれません。しかし、時間に追われて食事のバランスが崩れてしまうような生活をしている人は、サプリメント等を活用して補助的に栄養を補うことも必要でしょう。
サプリメントを飲んだからといってすぐにどうにかなる事はありません。例えば働きが明記されている機能性表示食品であっても、どのくらいの期間飲用することで働きがあるのか、という事も記載があるため、しっかりと読み解く必要もあります。継続して飲む必要があるからこそ、安心して体に摂り入れられる商品を選びたいものです。DHAやEPAの品質に興味がある方は、1つの基準としてIFOSをチェックしてみるのもいいでしょう。