日本人と魚の歴史

日本は国土の周りを海で囲まれており、昔から魚が豊富に捕れたことから、魚を好んで食べていました。そのため、魚を主食として食文化が日本では築かれてきました。縄文時代の遺跡からも魚の骨が発見されていて、昔から貝や魚を好んで食べていたことが分かっています。海が近く、独自の漁業方法も生み出され、魚は生活に無くてはならない存在となりました。日本人が生きていくための栄養の多くは魚から摂取していたのです。

江戸時代に入り、魚を利用した料理が普及していきました。日本の加工技術が発展してからは、魚を加工した食材が流通しました。代表的な日本の料理が「寿司」や「天ぷら」であることからも日本が魚を愛し続けてきたことが分かります。

魚を食べなくなった？

昔は食卓の定番となっていた魚ですが、その摂取量は徐々に減ってきています。厚生労働省の調べによると、1998年頃は日本人の平均1日あたり90g程度の魚介類を食べていました。それが2017年ごろになると65gほどまで減少しています。摂取量は減少の一途をたどっており、このまま下がり続ける傾向が伺えます。また、1998年は肉類よりも魚介類の方が摂取量が多かったのですが、2007年に肉類の方が多く食べられる傾向になりました。それ以降、肉類の摂取量は増え、魚介類は減少を続けている状況です。

日本人が魚を食べなくなったのには様々な理由があります。その1つは食生活が洋食に偏ってきた点です。欧米の食事が増え、肉を利用した料理を好むようになってきました。日本人が魚を食べなくなったもう1つの理由が「魚の食べにくさ」です。刺身であればいいのですが、焼き魚になると骨を取りながら食べなければなりません。こういった手間のかかるものを敬遠する動きが生まれてきたのです。

日本人が魚から栄養を摂っていた

日本人の平均寿命は、世界一です。欧米からは「なぜ日本人は長生きなのか？」と不思議に思われて様々な調査がされています。健康的な食生活の1つに「日本人は魚を多く食べている」という考え方があります。実際、青魚に含まれる栄養分が健康面でも嬉しい働きがあることは研究でも分かってきています。特に、日本人がよく食べる青魚の研究は、今も続けられているようです。

青魚に含まれる栄養とは？

青魚には不飽和脂肪酸であるDHAとEPAが多く含まれています。脂がのった魚に多く含まれていて旬の魚を食べているとDHAやEPAをたくさん摂り入れることができます。不飽和脂肪酸は、体内では作られない成分で、青魚のような食事を通して取り入れるしかありません。

DHAに含まれる成分は、母乳にも含まれていて赤ちゃんにも必要な成分だと言われています。妊娠して初めてDHAに気を遣うようになったという妊婦さんも多いようです。その働きにはまだ未知な部分があるようですが、健康への期待できる働きなどついてはこれからも研究が続いていくことでしょう。

EPAはスムーズな身体の働きにも影響を与えるといわれる成分です。機能性表示食品などでエビデンスが示されている事例もあります。これから一層その働きに注目が集まる成分の1つではないでしょうか。

青魚が嫌いな人は？

青魚が苦手な人や嫌いな人は、どのようにDHAやEPAを取得すればいいのでしょうか。

DHAやEPAの働きが世間でも認められるようになってから、DHAやEPAを含んだサプリメントが多く発売されるようになりました。ドラッグストアのサプリメントコーナーに行くと、様々なサプリメントが並んでいます。DHAとEPAが混合されているサプリメントもあり種類は豊富にあります。手軽にDHAとEPAを摂取できますので、魚から年々離れてきた日本人にとって、サプリメントは活用しやすいサポートアイテムといえるでしょう。