DHAの正式名称は「ドコサヘキサエン酸」といい体内で作られることのない不飽和脂肪酸の1つです。社会で注目されるようになったのは1980年代後半で、現在に至るまで積極的な研究が続けられています。DHAは体内で作られないため、体内に取り込むためには食事から摂取するしか方法がありません。
厚生労働省から発表されている指標によると、DHAの1日の摂取量は「1,000㎎以上」となっています。理想的な摂取量の目安として、成人男性の場合2.0g~2.4g、成人女性で1.6g~2.0gの摂取がよいとされています。
DHAは体内で作られることはありませんが、お母さんの母乳に含まれている成分です。赤ちゃんが摂取しても問題ないですし、赤ちゃんの成長に欠かせない成分であることも分かっています。特に日本人の母乳には欧米人と比べてDHAが多いといわれています。その他、DHAは身体の重要な部分にとても多く含まれています、人にどのような影響があるのかは、様々な実験を通して検証が行われているところです。
DHAは主に魚介類に多く含まれています。大人になってから魚を食べる機会は減少したかもしれませんが、小学生の頃は給食で魚介類を必ず食べる機会がありました。大人になってからもDHAを意識的に体内に取り込むためには、日ごろから魚を利用した料理を食べるようにしましょう。例えば、サンマの塩焼きやサバの味噌煮など、定期的に献立に加えると効率的な摂取が可能となります。
DHAが多く含まれている魚は、サンマやサバの他にはマグロやカツオが有名です。マグロやカツオは刺身にして食べることも多い食材なので、骨がある魚は苦手という方でもお寿司として口にする機会はもてるかもしれません。焼き魚を食べる機会が減っている人は、回転寿司でマグロやカツオを積極的に摂取するとDHAを多く取り込むことができます。マグロの中でもトロのように脂がのった部位にDHAは多く含まれています。
脂の多い魚の方がDHAは多く含まれていますが、調理方法によってはDHAが失われてしまいますので注意が必要です。料理するのが億劫な人は、魚の缶詰にも含まれていますので家にいくつか準備しておくといいでしょう。
昔の日本人は、旬の魚や新鮮な魚を多く摂取していました。そのため、DHAを体内に取り込む量も安定してました。欧米と比較して日本人の母乳にDHAが多く含まれているのは、魚をたくさん食べていたからだとされています。
しかし最近は、日本人の魚を食べる量が減りDHAを摂取する機会は減少しています。DHAを魚以外から摂取しようと思えば、サプリメントが効率的です。料理が面倒であったり、魚が苦手という人は、サプリメントを活用することで積極的にDHAを体内に取り込むことができます。
DHAを手軽に摂取できるように食品に加える研究も進んでいます。サプリメントはもちろんのこと、一般的な食品にもDHAが添加されているものが増えてきました。例えば、魚肉ソーセージがあります。スーパーに並んでいる魚肉ソーセージを見ると中に「DHA入り」と書かれている商品も目に入ります。
他に珍しいところでいうと、DHA入りの清涼飲料水があります。水分補給と一緒にDHAを摂取することができるようになっています。またDHAは母乳に多く含まれているから、赤ちゃん向けの食品にも添加されることが増えています。粉ミルクやベビーフードにもDHAを加えた製品がラインナップされるようなりました。サプリメントに抵抗があるお子様は、DHAが含まれている食品を摂取すると効率的に取り入れることができるでしょう。